お友達の話
アラサーと言われる年齢に足を踏み入れ、ふわふわしていた若者としての気持ちが徐々に角を作り形となってきた。
私には中学からの付き合いのツレが1人いる。
そのツレは文系だが、大学院に行き、広告代理店に就職をした。
その友達が去年仕事を辞めて、長年の夢であった構成作家として歩み始めた。
手取りは月6万という社会人の私にとっては雀の涙のような額だ。それでも自分のしたい事を選んで、邁進している。
友達は「収入は前より確実に減ったけど、でも今の方が楽しいし良い!」と自信を持って答えていた事が眩しく映った。
私はどうだろうか。
そんななりふり構わないほど我武者羅に生きているだろうか。自己実現を叶えているだろうか。
昔、上司に仕事を辞めたいと相談したら「世の中には自分のしたい仕事ができてる人なんて滅多におらん。」と言っていた。
その時は、なんとも誰でも言えそうな月並みな言葉だと思って辟易して辞める決断が更に固まった。
今となってはこの言葉の本質は"やりたい仕事が見えている人は少ない。今の現状を満足する事はできないのか?"という部分にあったのだろうと思える。
きっと私の向かう先は、その人にとっては不満からの逃げにでも見えていたのだろう。だから不満なのは誰しも同じだと伝えてきたのだ。
私はこの先どうやって自分の腹も心も満たして生きていこうか、そう思いながらこうして文を綴るだけで精一杯だ。